34.2011年 ロリポップと言えない・・
2011年
マックス9歳の頃 、作業療法士のテレサさんが週に一度家にきてくれるようになる。
マックスに何が必要か的確に助言してくれるのだ。
吐きそうになりながら『ロ・リ・ポ・プ』と必死に言おうとがんばる。
言わすと『オウェ』と吐きそうになると指摘された。
『R』と『L』の発音がうまくできないとも言われた。
マックスはそれまでほとんど話ができなし堅いものも食べていない。
だから舌や顎がちゃんと発達していなかったらしい。
2歳半から今までマックスの食事はMaCのフレンチフライとベーグル、クラッカーと
りんごとグレープしか食べていないのだ。
その日から舌の訓練がはじまった。
必死に「ロ・リ・ポ・ッ・プ」と”おうぇ””となりながらも練習
まづロリポップ(ぺこちゃんあめ)を舐める練習だ。
何しろ今迄キャンディやお菓子など甘いものは一切口にしたことがないマックスだ
キャンディをペロペロ舐めるなんてことはマックスにとっては容易ではない。
まず口にに持っていく練習から始める。
それが出来ると口に入れ舌でちょっとさわる練習。
それから2〜3回舐める練習と時間をかけて練習する。
マックスにとっては初めてのものを手で触るのも大変なことなので
口にもっていくなんてとんでもないことなのだ。
ここまでくるのに2〜3ヶ月はかかった。
ガムも同じだ。
同じように口に持っていく。
次に歯の間に挟む。
次に一回噛ませる。
次に2〜3回噛ませる。
このように根気良く時間をかけてガムを噛む練習をしていく。
普通にクチャクチャとガムを噛めるようになるのに2〜3年かかった。
練習期間中はプラスチックの赤ちゃんのおしゃぶりに近いものを
一日中クチャクチャとしゃぶらせて口の中の筋肉を使う練習をする。
また水を飲むときにはグルグル巻きの長いストローで飲ませて吸う力を訓練。
セラピストさんに指摘されるまではダディもマミーも気が付かなかった。
「いろいろあるんだね…気がつかなくてごめんね …マックス」