3.2005年 教材作りはマミーの仕事
2005年春
一回2時間のセラピーを毎日行うためには、マックスが興味を持ちそうで
セラピーに使えそうなおもちゃ、シール、ゲームなどを
常に集めておかなければならない。
セラピールームと呼ぶ部屋にマックスとセラピストの二人で
2時間月曜日から土曜日までほとんど毎日である。
入りたくないと泣くマックスが、喜んではいるような仕掛けを
常に考えておかなければならない。
勉強し易いようにカードをパウチで作り工夫して教材をつくる。
マックスは手先の力が弱くエンピツも良く握れない。
手先の訓練のためにひも通し、ボタン止め、ファスナー止め、
ホック止めなど練習用教材の準備などすべて親の仕事である。
ボタン止めファスナー練習用手作り教材
ABAのコンサルティング会社のプログラムマネージャが
マックスに合うプログラムを作成し、家族がそれに合う教材をつくる。
それを使ってセラピストがプログラムに沿ってセラピーを行う。
そして結果を毎日詳細に記録して1か月に一度チームミーティングを開いて
翌月のプログラムを作成し実施していく。
親の負担も大変なものであるが、そんなことは言っていられない。
一日も早く言葉がでてくることを願い必死で工夫し作り続ける。
セラピーを初めてから数か月が過ぎるとマックスは、
大分「アイコンタクト」ができるようになり、
「ポインティング」もどうやら形になってきた。
日常の生活のなかで「サンキューは?」「オープン プリーズは?」と促すと
「オーピン」「ピリーズ」と答えることが出来るようになる。
これだけでも大変な進歩であるが、一向に自らの発話はない。
しかしセラピーでは、かなりの数のカードを答えられるようになったが、
日常のなかでは、「マミー」も「ダディ」も全くでてこない。
写真では、マミーもダディも言えるのに
自ら呼びかけることはまだ出来ない。